嫌われ人事の逆襲! ホントは人事が一番面白い!

企業の人事部といえば…とにかく「どっちの味方なんだ!」と、あちこちから責められそうなイメージがあります。そして社内から、書類を処理するだけの暗い部門と言われている例もしばしば…。しかし人事部は、企業の根幹であり資産となる「社員」に関わる重要な部署です。本来、会社で一番人気で人間味に溢れる…いえ、どうせなら「人間愛に溢れる」部門であるべきなのです。このコラムでは、なぜ人事が嫌われてしまうのか、そもそも人事の仕事とはどんなものなのか、人事は今後どうしていくべきなのかについて解説していきます。これを読めば人事の面白さに気が付くこと間違いなしです!

  • 人事の仕事に興味がある人
  • 他部署とのコミュニケーションに課題を感じている人事担当者
  • 戦略人事への転換を考えている経営層

💡こんな方におすすめです!

目次

1.なぜ人事部は嫌われるのか?

人事が反感を買ってしまう例をいくつかご紹介します。

1-1.人事部が嫌われる4つの理由

  • 社員ではなく会社の味方をしているように思われる
    よくある例です。例えば、人事の一部の役割を持っている人は労働組合に入れず、時に会社側の立場として組合と意見を戦わせることもあります。また、会社の規則や役員の意向に従い業務をすることで、「人事は社員ではなく、会社の味方なのだ」と思われてしまうこともあるのです。
  • 社員の粗探し担当のように見られる
    社員の公平性や会社の利益を守るため、社員に決まりを守らせることも人事の役割の一つですが、それが「粗探し」と見られてしまうこともあります。社員のミスや規則破りを見逃すと人事担当者の責任になることもあり、人事にとっては必要な業務ではありますが、周りからは悲しい評価をされてしまうことも。これは規則やルールを守ることの大切さを社内に周知していないことが原因の一つです。
  • 楽な仕事だと思われる
    人事の業務は定例的で楽な仕事と思われてしまうこともあります。たとえば労務は、法律や税金なども理解する必要がある高度な業務ですが、他部署からは単純な四則計算でできると思われていることも少なくありません。そして近年人事に求められる役割は多くなっています。しかし残念なことに、それを理解していない人がとても多いというのが現状です。
  • お金を生み出していない問題
    売上を上げている部署からは、「人事は稼いでいないのだから、うるさいことは言うな」と言われることがあります。原因としては、人事は社内で楽な仕事をしている、稼ぐことの大変さを理解していないと他部署から考えられていることです。この状況が続くと、人事の立場はどんどん弱くなり、さまざまな業務や新施策を実行することが難しくなってしまいます。

1-2.人事が嫌われる共通の原因

上に人事が嫌われる4つの例を挙げましたが、ここで共通する原因としては、「人事に対する周囲からの誤解」「社員のための施策や行動の不足」の2つが挙げられます。

1つ目に挙げた「周囲からの誤解」とは、人事は事務処理をしているだけ、高度でクリエイティブな仕事はしていないと思われていることです。単純な仕事を作業的にこなしている、誰でもできると考えられているため、給与泥棒! と人事への反感が起こります。

また、社員の社内規則等への理解不足が人事への不満に繋がっています。なぜ人事はルールを守らせるのか、またどうしてそのルールが存在するのか分からないため、人事に一方的に押し付けられたと考える人が後を絶たないのです。しかし、この問題は社員だけが原因ではなく、うまく周知・社内浸透していない人事のミスとも言えるでしょう。

2つ目は「社員のための施策や行動の不足」ですが、これは社員が人事が自分たちのために何かをしてくれていると感じられない、ということです。社員に寄り添う、柔軟に対応するなどの小さなことや、福利厚生や施策など大きなものまで、人事に期待するものはあるものの、人事が期待に応えられていない状況です。近年、インターネットやニュースで革新的な人事施策が報じられるようになり、施策への期待が強まっています。それに伴い、現状と比較する社員が増え、さらなる期待を寄せるようになっています。しかし、期待に応えられない場合、「人事は信頼できない」「人事部は問題を避けるだけ」「人事の存在意義がない」と見なされるリスクがあります。

この2つをクリアにすることで、社内からの信頼を獲得し、ある意味「逆襲」をすることができるのです。

2.他部署から見えづらい人事部の仕事

そもそも人事が何をやっているのか、他部署からは見えづらいことが多いです。売上をあげていたり、目に見える成果を挙げることは営業に比べて稀ですし、個人情報保護の観点から公表できない仕事も多くあります。それについて理解を深めさせることが必要です。

2-1.人事は経営陣のパートナー

人事の主な仕事は人材採用、人材育成、人事評価、労務管理、人事制度企画立案などが挙げられます。一般的に事務と言われる業務から、企画立案などクリエイティブな業務まで様々です。そしてそれぞれの担当でチームや課があったり、一人で複数を実施していたりと、会社の規模や方針によってさまざまです。人事は経営陣のパートナーとなり、企業を活性化させるという役割があるのです。

2-2.他部署からみた人事部

他部署から見た人事は、前述したように誤解を持たれている可能性がある部門です。楽な仕事をしているのではないか、社員のために何かをしようとしない、社員を縛り付けている、そんな考えを持っている社員も少なくありません。中には人事がいるから人事制度が回り、給与もきちんと支払われていると理解をしている社員もいます。人事からよくしてもらった経験があり、人事にいい印象を持つ社員もいます。そのような社員を増やすために、強く、明るく、柔軟な人事にならなくてはなりません。

3.人事が「逆襲」するために取り組めること

3-1.戦略人事への変化

 社内からの評判がよくない、嫌われる人事は何に取り組んで行けばいいのかーー。それは従来の人事から「戦略人事」に変わることです。いわゆる書類の処理だけを行うペーパープッシャーの人事から、人的資本経営を推進する戦略人事になることで、より会社をより良くし、そして「社員のための人事」になることができるのです。

 戦略人事とは、欧米の先進企業を中心に実践が進んでいる、経営戦略にも深くかかわる人事のことです。つまり、経営資源の一つである”人”の価値を最大化するために、経営戦略と連動した人事戦略を策定・実行することです。

 具体的には、今までの人事では人事施策が経営目標や経営計画の達成に直接紐づくことはありませんでしたが、戦略人事は、人事部門が経営のパートナーとして経営戦略に積極的に参画します。そのため、書類を事務的に処理するのではなく、どうすれば会社全体のためになるかを考え、業務を進めることが必要です。そうすることで、人事で働く社員のやりがい向上にも繋がります。

3-2.幸福度向上による職場環境の改善

もう一つ必要なことは「幸福度向上」による職場環境改善です。ミシガン大学のデビッド・ウルリッチ教授は著書『MBAの人材戦略』の中で、人事を「人材経営の専門職」と呼んでいます。そしてその定義を
1)戦略パートナー
2)管理のエキスパート
3)従業員のチャンピオン
4)変革のエージェント
の4つで表しています。

中でも、特に日本の人事部が今後注力すべきは、「従業員のチャンピオン」です。 従業員のチャンピオンとは、「従業員の代表として一人ひとりの意見に耳を傾け、意欲を高める支援を行う」ことです。まさに嫌われ人事に必要とされていることではありますが、従来型の人事が苦手としているところでもあります。

しかし、グローバル化が進む中、人事も変化を受け入れて、その役割を担っていかなくてはなりません。難しく聞こえますが、シンプルに考えると暖かい心と冷静な頭脳を持って、従業員に関わり、会社を支える人材の満足度、そして働く意欲を高める、というのはとても魅力的ではないでしょうか。

そして以前のコラムで何度かご紹介してきた「社員幸福度」向上の責任を担うことが必要です。幸福度の向上は、人材のためだけでなく、会社全体を長期的にいい方向に進めることができます。幸福度向上に取り組むことで、社内からの評価はグッと変っていきます。社員が人事は自分たちのために動いてくれているという印象を与えることができます。これらに取り組むことで、日本の人事の在り方を大きく変えることができるのです。

4.人事部こそが会社の未来

人事は今「事務処理担当」から「ビジネス戦略のパートナー」へのシフトチェンジが求められています。今までの日本の人事は「確実に紙の処理をするペーパープッシャー」でしたが、今は会社の経営戦略をも担う「戦略人事」へと変革が求められているのです。会社の経営、環境全てを改善する「強い人事」としての存在感を高めることが必要です。その結果、社内での人事の地位は向上し、人事の満足度も高まります。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか? 人事の大きな可能性が見えてきて、おもしろい部門だ! と思った方も多いのではないでしょうか。人事の仕事の幅を広げて、会社を良くし、社員にも愛されるよう、今こそ変わる時なのです。そのために職場環境改善や幸福度向上はマストな取り組みになっていきます。

変化を成功させるために、必要な部分はその道のプロにサポートを依頼するもの一つです。カルチャリアでは、職場環境改善、制度導入などのお手伝いが可能です。経験豊富なコンサルタントが皆様のお悩みを解決します。

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